全般

外国人労働者をどうやって募集するべきかお悩みではないですか?ここでは、留学生や、ホワイトカラーの外国人材などを募集するための求人媒体について解説しています。この記事を読むとより最適な求人媒体を選択できますよ。

はじめに

この記事では、外国人労働者の正社員として主に留学生、ホワイトカラーの企画・営業・経理等の事務職、エンジニア、語学教師などの「専門的・技術的分野の在留資格」に当てはまる外国人労働者の求人募集の方法を解説しています。

なお、農業、漁業、建設業、製造業など募集する職種によっては、技能実習生の募集が最適な場合もあるため、どのような在留資格の外国人を募集するかをまず検討しましょう。

外国人労働者を募集するのに、日本人の求人募集と同じ方法では上手くいかないこともあります。日本人しか見ない求人媒体に、費用をいくらかけても無駄になってしまうでしょう。外国人を募集するためにさまざまな有効な媒体が存在しています。そのため、それぞれについてご紹介していきます。

ハローワーク

ハローワークは転職する多くの外国人労働者に活用されています。外国人労働者にとって、ハローワークは求職活動だけでなく、専門アドバイザーとの職業相談、無料就職セミナーの受講までできる公的機関とも認識されています。

日本人と同じく、外国人労働者は失業保険制度をハローワークで手続きします。失業保険を受給するためには、退職後にハローワークで手続きを行ったうえで、一定の求職実績が必要です。求職実績として、求人の応募、職業相談、セミナーの受講などを行います。そのため、多くの外国人労働者がハローワークを利用します。

留学生に対して、大学・専門学校の就職課は、学校の求人以外の紹介でハローワークを紹介しています。新卒の留学生を募集したい場合も、まずは求人情報をハローワークに登録するのがいいでしょう。

外国人雇用サービスセンター

ハローワークの中には、外国人専門の「外国人雇用サービスセンター」があり、大学・専門学校などの教育機関の掲示板に掲載もできます。手間もあまりかからず、無料ですので外国人労働者を募集する際には積極的に活用するのもいいでしょう。

教育機関の求人

留学生を受け入れている教育機関として、日本語学校、専門学校、高等専門学校、大学、短期大学、大学院などがあげられます。これらの教育機関では、就職課、留学生センターなどで求人情報を公開しています。

一般的に、新卒採用では中途採用に比べて、教育コストがかかる代わりに、優秀な人材を低コストで採用しやすいと言われていて、これは外国人にも当てはまります。

外国人を新卒で採用するためには、教育機関に向けた採用活動も必要になるでしょう。教育機関の就職課には掲示板で多数の求人情報が掲載されていたり、求人企業の一覧が見れるようになっています。

学校指定の求人票以外にも情報を追加

教育機関に自社の求人票を掲載してもらうためには、学校指定の求人票に記入して、送付することになっています。この求人票は学校によって違いがあるものの、掲載できる情報量が限定されます。そこで、学校指定の求人票に加えて、会社案内、外国人の先輩社員の声、最新の社内報、OB・OGリストなどを追加の情報を送付するなどの工夫をしてもいいかもしれません。

送付する際の文章は、定型文ではなく、事前に学校のホームページで最新情報を確認して、学校ごとに書き方を変更すると就職課職員の目に留まりやすくなる可能性があります。

教育機関と良好な関係を築く

教育機関と良好な関係を築くと、様々なメリットがあります。メリットとして、より多くの留学生を優先的に紹介してもらえたり、単独での就職説明会や学内の合同説明会に参加できたりします。

教育機関と良好な関係を築くための有効な方法は、学校訪問により接触回数を増やすのが効果的です。これには、目的もなく訪問回数を稼ぐのではなく、OB・OGの同行、企業見学会・インターンの案内など、なにかネタを持っていくようにしましょう。小さな活動を積み重ねると、教育機関との信頼関係を築いてくことができます。

外国人留学生受入数の多い大学ランキング

実際に教育機関として、大学に接触するときには、留学生の多い学校を事前に調査してから行くのもいいでしょう。以下が留学生の多い大学のランキングになります。

学校名 留学生数
早稲田大学 私立 4,603人
東京大学 国立 2,990人
日本経済大学 私立 2,835人
立命館アジア太平洋大学 私立 2,649人
九州大学 国立 2,097人
大阪大学 国立 2,094人
筑波大学 国立 2,062人
京都大学 国立 1,814人
東北大学 国立 1,661人
名古屋大学 国立 1,613人
立命館大学 私立 1,587人
北海道大学 国立 1,570人
慶應義塾大学 私立 1,418人
東京福祉大学 私立 1,403人
同志社大学 私立 1,338人
東京工業大学 国立 1,223人
明治大学 私立 1,180人
日本大学 私立 1,178人
神戸大学 国立 1,152人
広島大学 国立 1,110人
大阪産業大学 私立 1,091人
拓殖大学 私立 1,041人
上智大学 私立 1,034人
城西国際大学 私立 989人
横浜国立大学 国立 830人
中央大学 私立 829人
明海大学 私立 787人
千葉大学 国立 786人
東京国際大学 私立 760人
日本ウェルネススポーツ大学 私立 743人

日本学生支援機構より「外国人留学生受入数の多い大学」を参照

留学生への合同就職説明会

留学生への合同就職説明会、外国人ジョブフェアは首都圏を中心に年に数十回が開催されています。主催者としては、公的機関、人材紹介企業などがあります。

一般的には、開催の半年前から出展社の募集をかけることが多く、無料で出展できるイベントもあります。
一回の合同就職説明会で1000人以上の外国人が訪れますので、集中的に留学生の応募をしたい場合に利用してもいいでしょう。

人材紹介企業

人材紹介企業には、外国人に特化した企業も多数あり、紹介企業によって、業界や採用の強い国が異なります。一般的な料金として、採用が決まると、採用した外国人労働者の年収の20%〜30%を支払いますが、会社によって異なります。ハローワークや教育機関と異なり、コストが発生しますので、予算との兼ね合いで検討するのがいいでしょう。

採用が決まっても就労ビザが下りないこともあるため、事前に行政書士や専門家などと連携をとって自社で就労ビザの要件などを確認することも忘れないようにしましょう。

求人情報のウェブサイト

人材紹介企業は直接企業の紹介をするだけではなく、ウェブサイトで求人情報を掲載することも多いです。求人情報のウェブサイトとして、リクルートやマイナビが運営する大規模なウェブサイト、中小企業専門、留学生専門、外国人専門のウェブサイトなどがあります。それぞれの企業によって、利用者の国籍、職種、年齢に違いがありますので、募集したい外国人のターゲットに合わせて企業を選択しましょう。

人材紹介企業の選び方

人材紹介企業は多くあり、近年では外国人に特化した企業も増えてきました。人材紹介企業といっても優良なサービスの企業と、そうでない企業があります。

例えば、企業によっては、営業ノルマ達成のため、数さえ入れればいいと考え、雑な対応をする場合もあります。そのため、適正なサポートやフォローがある優良企業か見極めなければなりません。

労働者派遣事業の許可番号の確認

日本で職業紹介の事業をするには、厚生労働大臣の許可がいります。まずは、会社のウェブサイトに許可番号が示されているかを確認するようにしましょう。無許可であれば、法律違反をしている可能性もありますので、避けるようにしましょう。

就労ビザの知識を確認

外国人の採用には、就労ビザが必要になります。そのため、就労ビザに関する基本的な知識がない会社にまかせてしまうと、就労ビザが取得できないこともあります。

就労ビザの取得が難しい外国人は事前に振るい落とさねばなりません。履歴書などの本人の情報から就労ビザに該当するかどうかの判断は人材会社の仕事でもあります。

また、就労のビザの許可は学歴などの本人に関する要件を満たすだけでなく、仕事内容がビザの対象になるかどうかも重要です。

基本的に人材紹介企業との外国人労働者に関する打ち合わせは、行政書士などの就労ビザの専門家と一緒にすることが多いです。人材紹介企業での打ち合わせに不満があれば、セカンドオピニオンとして、別の専門家にもアドバイスをしてもらい判断するのがいいかもしれません。

人材紹介企業の選択を間違えた場合、内定した外国人の就労ビザが下りず、外国人に迷惑がかかり、採用コストなどのダメージがあるため、人材紹介企業の選びには事前に就労ビザの知識を確認することが不可欠でしょう。

外国人採用のサポートは充実しているか

人材紹介企業から外国にいる外国人を面接する場合には、採用側の担当者が現地に行くことになります。外国に行く費用もかかりますので、1回で複数人の外国人を面接することも多くなります。

その際に、人材紹介企業の担当者が現地に同行してくれたり、面接会場のセッティングをしてくれる場合もあります。内定後の外国人へのフォロー、来日した外国人の住まい探し、就労ビザ取得などのサポートがあるかを事前に確認しましょう。

フリーペーパー・雑誌

首都圏、関西圏などの都市部では、フリーペーパーや外国語の雑誌があります。外国人に対しては特定の言語で掲載することで、その言語圏の外国人に周知させることができます。採用したい外国人の国籍によっては、フリーペーパー・雑誌の求人募集が有効なこともあるため、検討してもいいでしょう。

インターンシップ

インターンシップとは、学生が在学中に企業に体験入社して、実際に仕事を体験する制度です。留学生の間でもインターンシップは認知されており、積極的に利用する留学生も増えています。
インターンシップは長くても数ヶ月程度になりますので、仕事を覚えて戦力になってもらうよりも、会社にいい印象をもってもらうことを優先させましょう。

インターンシップの特別制度を活用

留学生は原則として、アルバイトで週に28時間以内しか働くことができません。インターシップに報酬が発生する場合は、アルバイトの許可と同様に、入国管理局から資格外活動許可を受ける必要があります。インターシップであっても週に28時間以内となります。

留学生についても日本人と同様に、もっとインターシップで働いてもらいたいと思うかもしれません。
そこで、インターンシップの制度をより実感するために、週に40時間程度働くことができる特別な制度もあります。海外の大学の学生についても、日本でのインターンシップを目的として来日してもらうことも可能です。

なお、無報酬でインターンシップを行う留学生は事前に入国管理局の許可の必要はありません。
以下について、インターンシップの特別な制度の規定に関して法務省ホームページより一部を引用しているため、必要があればご確認ください。

 

インターンシップに従事する時間が,(長期休業期間以外で)1週について28時間を超える方

 事前に入国管理局から資格外活動許可とは別に,「1週について28時間を超える資格外活動許可」を個別に受ける必要があります。
(注)学業に支障がないことが前提となります。

○対象となる方
(1)在留資格「留学」をもって大学(短期大学を除く。)に在籍し,インターンシップを行う年度末で修業年度を終える方で,かつ,卒業に必要な単位をほぼ修得している方
※ 卒業に必要な単位のうち,9割以上の単位を取得した大学4年生が想定されます。
(2)在留資格「留学」をもって大学院に在籍し,インターンシップを行う年度末で修業年度を終える方
※ 修士2年生又は博士3年生が想定されます。
(3)在留資格「特定活動」をもって在留する就職活動を行っている方(短期大学を卒業した方及び専修学校の専門課程を修了した方を含む。)
(4)在留資格「特定活動」をもって在留する就職内定者の方(短期大学を卒業した方及び専修学校の専門課程を修了した方を含む。)

上記に該当しない場合であっても,単位を取得するために必要な実習等,専攻科目と密接な関係がある場合等には,1週について28時間を超える資格外活動許可を受けることができます。

○「1週について28時間を超える資格外活動許可」の申請に必要な資料
資格外活動許可申請に必要な書類に加えて,下記の資料を提出してください。
(1)インターンシップを行う予定の機関が作成した,申請人の待遇を証する文書
※ 具体的に行おうとする活動内容,活動期間,活動時間,活動場所,報酬等を記載したもの。
(2)大学生・大学院生の方は,在学する大学からの在学証明書
(3)大学生の方は,卒業に必要な単位数及びその修得状況が確認できる文書(成績証明書等)
(4)専修学校の専門課程を修了した方は,専修学校からの成績証明書

法務省ホームページより引用)

自社ホームページ・SNS

ハローワーク、教育機関、人材紹介企業などに求人情報を掲載した次は、自社のホームページを充実させるようにしましょう。求人情報を見た外国人も、必ず会社のホームページを確認します。外国人は会社のブランド力や安定性も重視していますので、ホームページが充実していれば好印象を与えられます。

ホームページで求人ページを設置しておけば、直接採用にも繋げることができます。
ホームページには、日本人社員、外国人社員のインタビューを掲載すると会社の雰囲気や働き方を伝えることができるため効果的です。

また、自社のSNSとしてFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどの自社アカウントでも情報を発信していき、今後の応募者に会社をアピールしていくのもいいでしょう。SNSでもソーシャルリクルーティングを使って、外国人に対して多角的な採用戦略を展開する方法は高い効果を期待できます。

まとめ

外国人労働者の正社員の求人募集の方法
・ハローワーク
・教育機関の求人
・人材紹介企業
・フリーペーパー・雑誌
・インターンシップ
・自社ホームページ・SNS

これらの媒体を活用しながら外国人の正社員を採用していきましょう。

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執筆者
外国人労働者ドットコム編集部

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