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外国人にも10万円の「特別定額給付金」は給付される?申請方法やQ&Aを解説

10万円の「特別定額給付金」は外国人にも給付される?

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急経済対策として、2020年4月20日に、国民に対して一律10万円を支給する「特別定額給付金」が政府から発表されました。給付総額と市区町村の事務費を合わせた事業費は12兆8803億円となっています。

この給付金は、日本人だけでなく、日本在住の外国人でも給付の対象に含まれます。そこで、どういった外国人が対象になるのかを具体的に見ていきましょう。

10万円の「特別定額給付金」の給付対象になる外国人

10万円給付金の給付対象者は、基準日(2020年4月27日)において住民基本台帳(氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民票を編成したもので、住民の方々に関する事務処理の基礎となるもの)に記録されている人になります。

つまり、日本国籍ではない外国人であっても、基準日に住民基本台帳に記録されていれば給付を受けることができます。

10万円の「特別定額給付金」の給付対象にならない外国人

外国人のうち、観光やビジネスによる短期滞在者や、非正規滞在者は、住民基本台帳に記録されていないため、基本的に対象となりません。

10万円の「特別定額給付金」は技能実習生にも給付される?

特別定額給付金の給付対象者は、基準日(2020年4月27日)に住民基本台帳に記録されている者です。よって、国外から転入し、基準日時点で住民基本台帳に記録されている技能実習生は給付対象者となります。

詳しくは、技能実習生の住民基本台帳への登録がある市区町村へお尋ねください。
なお、技能実習が修了したが帰国できない技能実習生など、在留資格を「短期滞在」または「特定活動」へ変更して在留の継続が認められている方については、10万円給付に関しても個々のケースに応じた判断が必要となりますので、市区町村へお尋ねください。

10万円の「特別定額給付金」は留学生にも給付される?

留学生も、令和2年4月27日において有効な在留カードを持っていて、住民登録されていれば、給付の対象になります。

10万円の「特別定額給付金」は基準日時点で住民基本台帳に記録されていない外国人にも給付される?

法務省は、2020年5月に、帰国困難な状況にある外国人労働者に関しては、「特定活動」の在留資格変更申請を許可する取扱いを発表しました。

これにより、帰国困難な状況にある技能実習生、留学生などは、「特定活動」の在留資格に変更することにより、「特別定額給付金」の10万円給付の基準日(2020年4月27日)の時点で住民基本台帳より消除されていた人であっても、給付金が受けられることになりました。なお、在留資格変更にあたっては、在留資格の期限の満了を待たずに申請ができます。

10万円の「特別定額給付金」は外国人の短期滞在者にも給付される?

基準日において外国人の短期滞在者であった方のうち、基準日前において住民基本台帳に記録されており、基準日後において再度住民基本台帳に記録された場合、給付対象者となります。

10万円の「特別定額給付金」は難民申請者の子どもにも給付される?

給付対象者である難民認定申請中の方で、そのお子さんが基準日時点で短期滞在者であるため住民基本台帳に記録されていない場合、そのお子さんも給付対象者となります。

「特別定額給付金」の目的

新型コロナウィルスの影響で、緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人同士の接触を最大限削減する必要があります。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでいる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければなりません。
このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うことを「特別定額給付金」の目的としています。

「特別定額給付金」の申請時期

いつから申請を行うことができる?

具体的な申請の受付開始時期はそれぞれの市区町村において設定されています。
2020年の6月中には、ほとんどの市区町村において、申請書の郵送とオンライン申請受付を開始しています。
政府(総務省)のホームページ等でも情報提供をしています。

総務省:郵送が開始されている団体一覧(https://kyufukin.soumu.go.jp/doc/kyuhu-post.pdf?ver=20200610.01)

申請はいつまで受け付けてくれる?

各市区町村における郵送申請方式の受付開始日から3か月以内が受付期限となります。
給付金の申請手続きには「申請期限」があるため、いつ申請してももらえるわけではなく、その点は注意しておきましょう。

「特別定額給付金」の申請者

誰が申請する?

世帯主が代表し、同一世帯の給付対象者の全員分をまとめて申請して、まとめて受給することとなります。

外国人本人でも申請できる?

外国人本人でも申請できますが、外国人本人が給付金の対象者であっても、世帯主のある世帯に属している場合は、原則的にその世帯主を通じて申請することになります。

「特別定額給付金」の給付金額

給付金の金額は、給付対象者1人につき10万円です。世帯主がまとめて受給するため、世帯でもらえる金額は、給付対象者の人数に10万円をかけた金額となります。

例)世帯主・配偶者・子2人の4人家族の場合
世帯主が4人分(10万円×4人=40万円)をまとめて申請し、市から世帯主の口座へ全額が振り込まれます。

「特別定額給付金」の2つの申請手続きの方法

給付金の申請手続きは、郵送申請方式とオンライン申請方式の2つがあります。

*実際の手続の際は、申請書やマイナポータルの指示に従ってください。

郵送申請方式

市区町村から受給権者宛に郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村へ郵送します。

オンライン申請方式

「マイナポータル」にアクセスし、申請内容を入力します。そして、振込先口座の確認書類をアップロードして、マイナンバーカードによる電子署名で本人確認します。

郵送で申請する場合の手続き方法

郵送で申請する場合の手続き方法の流れを簡単に解説します。

申請書に記入する

郵送されてきた申請書の項目に記入します。

①申請する日と市区町村を記入します。

②世帯主の署名と電話番号、生年月日を記入し、押印します。

③給付対象者と合計金額を確認します。

④受取方法を選択してチェックをつけます。

⑤給付金の受取口座を記入します。

⑥代理人が給付申請を行う場合のみ記入します。

⑦申請者本人確認書類の写しを貼り付けます。

⑧振込先口座確認書類の写しを貼り付けます。

⑨チェックリストを記入します。

 

3点を郵送する

・申請書
・振込口座確認書類
・本人確認書類

3点を住民票所在の各市区町村へ郵送してください。返送用封筒は同封されているため、郵送料金はかかりません。

「特別定額給付金」が振り込まれる

給付対象者1人につき10万円がご指定された銀行口座に振り込まれます。

オンラインで申請する場合の手続き方法

オンラインで申請する準備

マイナポータルからオンライン申請を行う場合は、以下の準備が必要になります。

①申請者(世帯主)のマイナンバーカード
②マイナンバーカード読取対応のスマホ(またはPC+ICカードリーダ)
③「マイナポータルAP」のインストール
④マイナンバーカード受取時に設定した暗証番号(英数字6〜16桁)
⑤振込先口座の確認書類

マイナポータルへアクセス

まずは、マイナポータルへアクセスします。
https://app.oss.myna.go.jp/Application/search

マイナポータルで申請する

マイナポータル内では以下の手順で申請します。

①お住いの市区町村を選択します。

②特別定額給付金の申請を選択します。

③必要事項を入力します。

④振込先口座の確認書類をアップロードします。

⑤電子署名を付与して送信します。

「特別定額給付金」が振り込まれる

給付対象者1人につき10万円がご指定された銀行口座に振り込まれます。

参考:特別定額給付金ポータルサイト(https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/

「特別定額給付金」に関して外国人を対象に騙す詐欺に注意

給付金に関しては、すでに様々な詐欺手段が出ており、外国人を標的に中国語や英語を使った詐欺電話・詐欺メール等が届いていることもあるようです。外国人の方は、より一層の注意が必要となります。

特に、「個人情報」「通帳、キャッシュカード」「暗証番号」の詐取に注意しましょう。市区町村や総務省などが現金自動預払機(ATM)の操作をお願いしたり、手数料の振込みを求めることは、絶対にありません。

また、現時点で、市区町村や総務省などが、住民の世帯構成や銀行口座の番号などの個人情報を電話や郵便、メールでお問合せすることも絶対にありません。

ご自宅や職場などに市区町村や総務省などをかたった電話がかかってきたり、郵便、メールが届いたら、お住まいの市区町村や最寄りの警察署(または警察相談専用電話(#9110))に連絡しましょう。

10万円の「特別定額給付金」に関して外国人によくあるQ&A

DV被害等の理由で世帯主と別居していますが、どう申請しますか?

DVを理由に避難していることを、今お住まいの市区町村に申し出ていただき、確認を受けた場合には、給付を受けることができます。

お住まいの市区町村の特別定額給付金担当窓口へ「申出書」を提出してください。
「申出書」は、配偶者やその他親族からの暴力を理由に避難していることを申し出るものです。「申出書」は、お住まいの市区町村窓口のほか、婦人相談所や総務省ホームページなどで入手できます。まずは、速やかに、各市区町村の窓口にご相談ください。

詳細はコチラ→女性に対する暴力の根絶 (http://www.gender.go.jp/policy/no_violence)

海外に住んでいますが、給付対象者となりますか?

海外に居住されている方についても、基準日(2020年4月27日)において、日本国内のいずれかの市区町村の住民基本台帳に記録されていた場合は給付対象者となります。

海外に住んでいて、日本に帰ってきた場合は対象者となりますか?

海外に居住されていた方についても、基準日(2020年4月27日)において、日本国内のいずれかの市区町村の住民基本台帳に記録されている場合は給付対象者となります。なお、住民登録がお済みでない方は、お住まいの市区町村で住民登録の手続をしてください。
ただし、海外転出届の提出等により基準日時点で日本国内のいずれの市町村においても住民登録がなかった方は、給付対象外となります。

現在、ビザ申請中ですが、給付金をもらえますか?

ビザ申請中の場合は、一律には言えませんが、在留カードの発行をまだ受けていない場合には、原則として受給の対象になりません。

税金や社会保険料を払わない状態が続いていますが、給付金の対象になりますか?

税金や社会保険料の支払いは、日本に在留している外国人の義務であるため、払わない状態が続いていると違法状態になりかねません。今回の給付金は、外国人を含めた日本に住んでいる方々の生計に対する特別支援であるため、税金や社会保険料の未納や滞納があっても、直ちに受給対象から除外されません。

ただし、税金や社会保険料の支払いが義務である以上、いつか払わなければなりませんので、取り扱いによっては、給付金が未納分の税金や社会保険料に充当される可能性があります。

申請書の英語版はありますか?

申請書は日本語のみです。また、申請書は日本語で記載をしてください。
申請書の内容を外国語で解説したものを掲載していますので、参考にしてください。

詳細はコチラ→特別定額給付金に関する各種ご案内(https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/download/)

外国人の場合、口座名義の記入をカタカナではなくローマ字を記入してもよいでしょうか?

口座を開設した際に登録した文字での記入をお願いします。

給付された10万円は、課税対象になりますか?

特別定額給付金は、法律により非課税になりますので、課税されません。

まとめ

「特別定額給付金」の10万円の給付対象者は、基準日(2020年4月27日)において住民基本台帳記録されている人になります。そのため、日本国籍ではない外国人であっても、基準日に住民基本台帳に記録されていれば給付を受けることができます。
「特別定額給付金」の10万円を受け取れることを知らない外国人の方がいれば教えてあげましょう。