全般

「自分の会社、部署もグローバル化を進めたい!」
「海外の本社、支社から即戦力となる外国人社員を受け入れたい!」
と思っているあなたは、この記事をぜひお読みください。

この記事では在留資格「企業内転勤」について解説しています。

在留資格を活用しあなたの会社に受け入れるメリット、受け入れまでの流れ、必要な資料などをこの記事で全て解説しています!

在留資格「企業内転勤」とは

1. 活動内容

在留資格「企業内転勤」は、海外にある事業所から日本へ転勤する方のための在留資格です。
企業のグローバル化に対応すべく、専門技術者などの優秀な人材を日本の事業所に受け入れることを目的に設けられた就労ビザの一種です。

仕事の内容は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」と同じです。
日本に本店・支店がある外国の企業から、
日本の事業所に一定期間転勤し、エンジニア業、マーケティング、通訳などの仕事に従事することが許可されます。

ではいったい、「技術・人文知識・国際業務」とは何が違うのでしょうか。
なぜ、「技術・人文知識・国際業務」とは別の「企業内転勤」の在留資格を取得する必要があるのでしょうか。

それは、在留資格を取得する際の要件です。
「企業内転勤」によって入国する際は、学歴に関する要件がありません。
企業側から転勤の指示、および在留資格申請の許可があれば、学歴関係なく日本で働くことができます。

在留資格「企業内転勤」を活用するメリット

「企業内転勤」をうまく活用できれば、子会社や関連会社から優秀な社員を、即戦力として迎えいれることができます。
また、新たに外国人労働者を募集・採用する場合と比べると、採用コストも大幅に削減することができます。
このように、グローバル化を目指す企業であれば、在留資格「企業内転勤」を活用するメリットは非常に大きいです。
しかし、取得においての要件判断が難しいため、在留資格の取得を途中で諦めてしまう企業も少なくありません。
ですが、あなたがこのままこの記事を読み進めれば、申請に挑戦できます。
申請が通った際に得られるメリットは、前述したとおり非常に大きいです。
ぜひ、申請してみましょう!

【注意!】「企業内転勤」の『企業内』と『転勤』の意味

そもそも『転勤』は日常用語において同一社内の異動を指すことが多いですが、在留資格「企業内転勤」の『転勤』は、系列企業内への出向なども含まれます。
またここでの『企業内』は、財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則(以下:財務諸表規則)第8条にいう「親会社」、「子会社」、および「関連会社」を意味します。
財務諸表規則第8条の「親会社」、「子会社」、「関連会社」にあたらない、いわゆる単なる業務提携関係の企業への転勤では、在留資格「企業内転勤」による入国はできません。

2. 在留期間

5年、3年、1年、3ヶ月のいずれかです。

在留資格「企業内転勤」を取得するための要件(基準)

① 業務・職務経歴に関する要件

転勤の直前に、外国にある本店,支店などの事業所において、『技術・人文知識・国際業務』(※2)の業務に従事しており、その期間が計測して1年以上であることが要件です。

※1 企業内転勤の在留資格によって、外国に事業所のある公私の機関の、日本の事業所にて業務に従事していた期間がある場合は、その期間も合算できます。

※2 『技術・人文知識・国際業務』の業務内容は、法別表第一の二の表に基づきます。

② 報酬に関する要件

報酬に関する要件は日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることです。

はっきりと額が決められているわけではありません。
当該外国人の受け入れ機関で働いている日本人従業員と同じ職位の場合に、
同等かそれ以上であれば問題ありません。

・その受け入れ機関が外国人を初めて受け入れる
・雇用形態がそれぞれ違っているために、比べる相手がいない
などの場合は、外国人労働者を受け入れている他の企業の同じ職種の賃金を参考に
入国管理局から判断されます。

また報酬の考え方には注意が必要です。
日本企業では、「基本給を低く設定し、各種手当を加算しての他の企業と同等の額に合わせている」企業が
まれに見られます。
このような計算による調整を、外国人労働者受け入れ時の報酬設定に使ってはいけません。

在留資格で要求されている「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬」とは、
あくまで労働の対価である基本給に関する話です。
外国人労働者の基本給を低く設定し、日本人従業員の基本給と合わせるために、
各種手当てを乗せていく方法では要件を満たしているとは見なされません。
また、「日本人と同等の額の報酬だと外国人の母国の生活水準だと高給に当たる」という理由で、
外国人労働者の報酬を日本人従業員より抑えることも認められません。

在留資格の取得申請

申請の流れ

【ステップ1】 申請に必要な書類を揃える、または作成します。

必要な書類の内容は後述します。

【ステップ2】 出入国在留管理局で申請

揃えた書類を出入国在留管理局へ持っていき、申請します。

【ステップ3】 結果の通知

申請時に必要書類として返信用封筒(もしくはハガキ)を提出します。
その封筒にて結果の通知が届きます。

【ステップ4】 出入国在留管理局にて残りの手続き

出入国在留管理局へ行き、収入印紙を購入し、受領サインをします。

【必要書類を知る前に!】 4つのカテゴリーを確認

在留資格「企業内転勤」で入国する外国人は、カテゴリー1,2,3,4の
4つのカテゴリーに分けられます。
申請者がどのカテゴリーに属しているかにより、申請時の必要書類が異なるため、
まずは申請者がどのカテゴリーに属するかを知る必要があります。

カテゴリーの分け方は以下の通りです。
申請者が所属する機関によって分けられます。

カテゴリー1

次のいずれかに該当する機関です。

1. 日本の証券取引所に上場している企業

2. 保険業を営む相互会社

3. 日本又は外国の国・地方公共団体

4. 独立行政法人

5. 特殊法人・認可法人

6. 日本の国・地方公共団体認可の公益法人

7. 法人税法別表第1に掲げる公共法人
[↓該当する法人は、こちらからご確認ください。] https://www.city.hirado.nagasaki.jp/kurashi/industry/syokou/files/file_20171172141917houjinzeibeppyou1_1.pdf

8. 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
[↓対象企業に関する詳細は、こちらからご覧ください。]

https://www.moj.go.jp/isa/content/930001665.pdf

9. 一定の条件を満たす企業等
[↓一定の条件の詳細は、こちらからご覧ください。] https://www.moj.go.jp/isa/content/930004712.pdf

カテゴリー2

次のいずれかに該当する機関です。

1. 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人

2. 在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関(カテゴリー1及び4の機関を除く)

カテゴリー3

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2の機関を除きます)

カテゴリー4

カテゴリー1〜3のいずれにも該当しない団体・個人

用意する書類

【共通で必要な書類】(カテゴリー1,2の場合)

まずは、全カテゴリーで共通して必要な書類を紹介します。
カテゴリー1,2に属する場合は、以下の共通書類だけが必要です。

1. 在留資格認定証明書交付申請書 1通
[↓以下のURLからダウンロードできます。] PDF: https://www.moj.go.jp/isa/content/930004031.pdf
Excel: https://www.moj.go.jp/isa/content/930004032.xlsx

2. 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
申請前3ヵ月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なものである必要があります。
写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付してください。

3. 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通

4. 上記カテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書 適宜
(提出可能な書類がない場合は、カテゴリー4に該当すると見なされます。)

【カテゴリー1】
◯ 四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
◯ 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
◯ 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)
◯ 上記「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)

【カテゴリー2】
◯ 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
◯ 在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)

【カテゴリー3】
◯ 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

カテゴリー3の場合

カテゴリー3に属する方は、共通書類として紹介した1,2,3,4に加えて、以下の書類が必要です。

5. 申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料(活動内容、期間、地位及び報酬を含む。)
所属する法人が変わるかどうか、役員等労働者であるかどうかで、必要な資料が変わります。
自分に当てはまる項目を確認しましょう。

(1) 所属する法人が“変わらない”転勤の場合
a. 転勤命令書の写し 1通

b. 辞令等の写し 1通

(2) 所属する法人が“変わる”転勤の場合
労働基準法15条1項および同法施行規則5条に基づき、
労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通

【※参考】
◯ 労働基準法第15条第1項
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
この場合において、賃金および労働時間に関する事項、その他の厚生労働省令で定める事項については、
厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

◯ 労働基準法第5条
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、
労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

(3) 役員等労働者に該当しない場合
a. 会社の場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通

b. 会社以外の団体の場合
地位(担当業務)、期間および支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通

6. 転勤前に勤務していた事業所と転勤後の事業所の関係を示す次のいずれかの資料

(1) 同一の法人内の転勤の場合
外国法人の支店の登記事項証明書等当該法人が、「日本に事業所を有すること」を明らかにする資料

(2) 日本法人への出向の場合
当該日本法人と出向元の外国法人との出資関係を明らかにする資料 1通

(3) 日本に事務所を有する外国法人への出向の場合
a. 当該外国法人の支店の登記事項証明書等当該外国法人が、「日本に事務所を有すること」を明らかにする資料 1通

b. 当該外国法人と出向元の法人との資本関係を明らかにする資料 1通

7. 申請人の経歴を証明する文書
(1) 関連する業務に従事した
・機関
・内容
・期間
の3点を明示した履歴書 1通

(2) 転勤直前の1年間に従事した
・業務内容
・地位
・報酬
の3点を明示した、外国の機関による文書 1通
(※ 転勤の直前1年以内に申請人が企業内転勤の在留資格をもって日本に在留していた期間がある場合は、当該期間に勤務していた日本の機関を含みます。)

8. 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
(1) 勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通

(2) その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書 1通

(3) 登記事項証明書 1通

9. 直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通

カテゴリー4の場合

カテゴリー4に属する方は、ここまで紹介した1〜9の書類に加えて、以下の書類が必要です。

10. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

(1) 源泉徴収の免除を受ける機関の場合
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通

(2) 上記(1)を除く機関の場合
a. 給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通

b. 次のいずれかの資料
[ア] 直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通

[イ] 納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通

まとめ

在留資格「企業内転勤」を活用すれば、海外の本社・支社から、即戦力となる外国人従業員を受け入れることができます。採用活動のコストカットができるので、ぜひ活用してみましょう。

 

参考URL

◯ 出入国在留管理庁 『在留資格「企業内転勤」』

https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/intracompanytransfee.html

困ったときは専門家に相談しましょう

当サイトでは、外国人労働者を受け入れたい企業向けに、以下のサービスを提供しています。
貴社の状況に応じて是非ご活用ください。

外国人雇用の専門機関による一括見積りサービス

「外国人雇用にかかる費用とは?」

採用をご検討している企業様はとくに気になる点だと思います。
当サイトでは外国人労働者の受け入れをサポートする専門機関(監理団体・送出機関・登録支援機関)に対して一括して見積りを依頼できるサービスを提供しています。

費用がどれくらいかかるかご不安がある企業様はお気軽にご依頼ください。

専門家に聞く「みんなの相談所」

外国人労働者の受け入れをサポートする専門機関(監理団体・送出機関・登録支援機関)に外国人雇用についての質問をすることができるQ&Aです。
「雇用するまでと雇用後の費用は?」などの過去の質問・回答も閲覧できます。

下記よりぜひご覧になってみてください。質問も随時こちらより受け付けております。

まずは簡単「雇い方簡易診断」

外国人労働者の雇用を初めて検討されている企業様は、まずは雇い方簡易診断でご自身の会社に合った雇い方を診断されるのがオススメです。
診断はYes/No形式の質問に回答いただく形で30秒程度のものになります。
外国人を雇うための在留資格と、これを支援してくれる専門家・機関・団体を当サイトがオススメします。

下記よりぜひ診断してみてください。

求人掲載をお考えの方へ

当サイトでは外国人労働者の求人情報を無料で掲載することが可能です。
フォームへ入力するだけの1ステップで申込み完了!
掲載をご希望の方は下記よりお申し込みください。
求人一覧はこちらより閲覧できます。

執筆者
外国人労働者ドットコム編集部

もっと読みたい!関連記事

記事一覧へ

外国人の雇用に興味がある方は

雇い方はどれがいい?フローチャートでズバリ解説!

求人を行いたい方は

無料で求人情報を掲載しませんか?