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「陶磁器工業製品製造」の仕事
あなたは、「陶磁器」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか?お皿、お茶碗、湯のみなど、食器を思い浮かべる方が多いかと思います。ですが、建造物に使用されているタイルやトイレも、同じ陶磁器の一種です。
このように、陶磁器は私たちの生活の多くの部分に関わっています。
陶磁器は、工房で作られる伝統工芸品としてメディアなどで取り上げられることが多いですが、工場で量産製造として作られる場合もあります。
技能実習制度で取り扱うのは、量産製造としての「陶磁器工業製品製造」です。
住宅などに使われるタイル、トイレ、洗面台などの衛生用品の陶磁器は、大手メーカーのシェアが大きいため、今後も需要はあると考えられます。
ですが、食器、キッチン用品などの陶磁器は中小企業が多く、需要の減少、中国の低単価製品の参入により、シェアが小さくなっています。
陶磁器製造の人材は、現在後継者不足・人材不足と言われています。陶磁器の製造には特別な資格が必要ではないため、未経験で採用してもらえる場合があります。
人材不足に悩んでいる事業者の方は、技能実習制度の運用によって、働き手を確保してみてはいかがでしょうか。
技能実習制度とは
「技能実習制度」とは、
開発途上国などの外国人が来日し、日本で修得した技能・知識を開発途上国へ移転する制度です。
技術移転の流れは、
まず開発途上国の若者が「技能実習生」となり、日本の企業で就労します(この企業を「受け入れ企業(または機関)」と言います)。
この就労を通して日本の技術・知識を修得し、その技術を母国へ持ち帰り、母国での技術発展に役立てます。
以上のような流れで開発途上国の発展を助け、国際貢献を目指します。
この技能実習制度は2010年まで、「外国人研修制度」という名前で運用されてきました。
しかし、目的外の労働の強要・賃金の未払いなど、さまざまな問題が見られ、本来の趣旨である「国際貢献」に反する運用の実態が問題視されていました。
これらの実態をなくすべく制度の再検討を行い、制度の改正を行いました。
この際に、制度の名称が「外国人技能実習制度」となりました。
技能実習生受け入れの流れ
ここでは、技能実習生受け入れの大まかな流れを紹介します。
まず、技能実習生を受け入れてから、事前に作成し監督省庁に提出した実習計画に沿って実習を行います。
実習期間は最大で5年間です。
技能実習1号、2号、3号へそれぞれの基準を満たすことで移行することができます。
受け入れを行う際の準備はたくさんあります。希望する人材の選定や必要な書類の作成・提出、法令によって定められている講習の実施などがあります。
従業員が少ない企業では、全ての手続きを自社で行うのが難しい場合がありますが、安心してください。
実際、全ての手続きを受入れ機関(企業)が行っているケースはあまり見られません。
「監理団体」と呼ばれる外部の専門機関へ委託することが可能で、中小企業など多くの企業が監理団体に委託して運用しています。
監理団体に委託する場合は、以下の流れで技能実習生を受け入れることになります。
◯ 監理団体に加入
◯ 現地(外国)で面談
◯ 現地で教育(講習など)
◯ 日本へ入国
◯ 監理団体での講習
◯ 受け入れ
技能実習の「陶磁器工業製品製造(機械ろくろ成形作業)」の業務内容
技能実習「陶磁器工業製品製造(機械ろくろ成形作業)」の作業の定義は、
「機械ろくろ成形機および一連の機械・装置などを使用し、陶磁器製飲食器等製品を量産製造する作業」のことです。
量産製造とは、
工業製品としての陶磁器製飲食器等製品を量産する製造形態のことであり、一定量の量産が可能です。
陶磁器製飲食器等製品の品質を、一般消費者に求められるようなものに保ち、適切な価格で繰り返し安定供給します。
必須業務
必須業務とは、技能等を修得等するために必ず行われなければならない業務のことです。技能実習生が修得等をしようとする技能等に係る技能検定、またはこれに相当する技能実習評価試験の試験範囲に基づいた内容となっています。
第1号技能実習
(1)機械ろくろ成形作業
①材料調整作業
1. 坏土の切断作業
②成形準備作業
1. 坏土供給作業
2. 仕上げ機の運転・停止操作作業
③成形作業
1. 製品のとったり作業
2. 鏝の取付け作業
3. 鏝の後始末・保管作業
④品質診断
1. 製品の良否判定作業
第2号技能実習
(1)機械ろくろ成形作業
①材料調整作業
1. 坏土の切断作業
2. 坏土の硬度・水分測定作業
3. 坏土の使用可否判定作業
②成形準備作業
1.坏土供給作業
2.坏土供給機の操作作業
3.仕上げ機の操作作業
4.仕上げ機のスポンジ調整・芯出し作業
5.移載機の操作作業
6.乾燥炉(乾燥機)の操作作業
③成形作業
1. 製品のとったり作業
2. 鏝の取付け・芯出し作業
3. 鏝の後始末・保管作業
4. 鏝の検査作業
5. 縁切り刃物のセット作業
④品質診断
1. 製品の良否判定作業
2. 検査結果の記帳・報告作業
第3号技能実習
(1)機械ろくろ成形作業
①材料調整作業
1. 坏土の切断作業
2. 坏土の硬度・水分測定作業
3. 坏土の使用可否判定作業
②成形準備作業
1. 坏土供給作業
2. 坏土供給機の操作作業
3. 坏土供給機の部品交換作業
4. 仕上げ機の操作作業
5. 仕上げ機のスポンジ調整・芯出し作業
6. 仕上げ機の位置合わせ作業
7. 移載機の操作作業
8. 移載機の部品交換作業
9. 乾燥炉(乾燥機)の操作作業
10. 型搬送機取扱い作業
③成形作業
1. 製品のとったり作業
2. 鏝の取付け・芯出し作業
3. 鏝の後始末・保管作業
4. 鏝の検査作業
5. 縁切り刃物のセット作業
6. 温度調整作業
7. クデ処理作業
8. 機器への日常給油作業
④品質診断
1. 製品の良否判定作業
2. 検査結果の記帳・報告作業
3. 不良原因の推定
安全衛生業務
安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全装置等の点検作業
③陶磁器工業製品製造職種に必要な整理整頓作業
④陶磁器工業製品製造職種の作業用機械及び周囲の安全確認作業
⑤保護具の着用と服装の安全点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑧異常時の応急措置を修得するための作業
関連業務, 周辺業務
関連業務とは、必須業務に従事する者が当該必須業務に関連して行う場合のある業務のことです。修得予定の技能等の向上に寄与する内容とされています。
また周辺業務とは、必須業務に従事する者が当該必須業務に関連して通常携わる業務のことです。
(1)関連業務
1. 圧力鋳込み成形作業
2. パッド印刷作業
3. 原材料調合作業
4. 石膏型製作作業
5. 排泥鋳込み成形作業
6. 窯詰め、ばらし作業
7. 施釉作業
8. 検品作業
9. 転写貼付・原版・印刷作業
10. 原型・石膏モデル製作作業
11. 加圧式鋳込み成形機の保守保全作業
12. 乾燥炉(乾燥機)の保守保全作業
13. 印刷機の保守保全作業
(2)周辺業務
1. 原料運搬作業
2. 職場環境整備作業
3. 製品の梱包出荷作業
(3)安全衛生業務
必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。
技能実習の「陶磁器工業製品製造(圧力鋳込み形成作業)」の業務内容
技能実習「陶磁器工業製品製造(圧力鋳込み形成作業)」の作業の定義は、
「加圧式込み機、および一連の機械・装置等を使用し、陶磁器製飲食器等製品を量産製造する作業」です。
量産製造とは、
工業製品としての陶磁器製飲食器等製品を量産する製造形態のことであり、生産規模としての一定量の量産が可能です。
陶磁器製飲食器等製品の品質を、一般消費者に求められるようなものに保ち、適切な価格で繰り返し安定供給します。
必須業務
第1号技能実習
(1)圧力鋳込み成形作業
①材料調整作業
1. 滞留泥漿の処理作業
②成形作業
1.型セット作業
2.泥漿の注入作業
3.脱型作業(小物:長径15cm以下)
4.成形直後品の取扱い作業
5.型乾燥作業
③品質診断
1. 製品の良否判定作業
第2号技能実習
(1)圧力鋳込み成形作業
①材料調整作業
1. 滞留泥漿の処理作業
2. 泥漿の粘度・水分測定作業
3. 泥漿の使用可否判定作業
②成形作業
1. 型セット作業
2. 泥漿の注入作業
3. 脱型作業
(中物:長径25cm以下/大物:長径35cm以下)
4. 成形直後品の取扱い作業
5. 型乾燥作業
6. 加圧タンクの運転・停止作業
7. ワーク穴あけ加工作業
8. 成形品の鋳込み口処理作業
9. 小物部品の接着作業
③品質診断
1.製品の良否判定作業
2.検査結果の記帳・報告作業
第3号技能実習
(1)圧力鋳込み成形作業
①材料調整作業
1. 滞留泥漿の処理作業
2. 泥漿の粘度・水分測定作業
3. 泥漿の使用可否判定作業
4. 泥漿の粘度・水分の簡単な調整作業
②成形作業
1.型セット作業
2.泥漿の注入作業
3.脱型作業(小物・中物・大物・高難度品)
4.成形直後品の取扱い作業
5.型乾燥作業
6.加圧タンクの運転・停止作業
7.ワーク穴あけ加工作業
8.成形品の鋳込み口処理作業
9.付属品の接着作業
10.乾燥済品の水拭き仕上げ作業
11.真空脱泡タンクの分解掃除作業
③品質診断
1.製品の良否判定作業
2.検査結果の記帳・報告作業
3.不良原因の推定
安全衛生業務
安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。
1. 雇入れ時等の安全衛生教育
2. 作業開始前の安全装置等の点検作業
3. 陶磁器工業製品製造職種に必要な整理整頓作業
4. 陶磁器工業製品製造職種の作業用機械及び周囲の安全確認作業
5. 保護具の着用と服装の安全点検作業
6. 安全装置の使用等による安全作業
7. 労働衛生上の有害性を防止するための作業
8. 異常時の応急措置を修得するための作業
関連業務, 周辺業務
(1)関連業務
1. 機械ろくろ成形作業
2. パッド印刷作業
3. 原材料調合作業
4. 石膏型製作作業
5. 排泥鋳込み成形作業
6. 窯詰め、ばらし作業
7. 施釉作業
8. 検品作業
9. 転写貼付・原版・印刷作業
10. 原型・石膏モデル製作作業
11. 加圧式鋳込み成形機の保守保全作業
12. 乾燥炉(乾燥機)の保守保全作業
13. 印刷機の保守保全作業
(2)周辺業務
1. 原料運搬作業
2. 職場環境整備作業
3. 製品の梱包出荷作業
(3)安全衛生業務
必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。
技能実習の「陶磁器工業製品製造(パッド印刷作業)」の業務内容
技能実習「陶磁器工業製品製造(パッド印刷作業)」の作業の定義は、
「パッド印刷機、および一連の機械・装置等を使用し、陶磁器製飲食器等製品を量産製造する作業」です。
量産製造とは、
工業製品としての陶磁器製飲食器等製品を量産する製造形態のことであり、生産規模としての一定量の量産が可能です。
陶磁器製飲食器等製品の品質を、一般消費者に求められるようなものに保ち、適切な価格で繰り返し安定供給します。
必須業務
第1号技能実習
(1)パッド印刷作業
①印刷準備作業
1. パッドの表面処理作業
2. パッド取付け作業
②印刷作業
1. パッド印刷機の基本操作作業
2. サイクルタイムの印刷作業
3. 印刷前品の良否判定作業
③品質診断
1. 製品の良否判定作業
第2号技能実習
(1)パッド印刷作業
①印刷準備作業
1. パッドの表面処理作業
2. パッド取付け・取外し作業
3. パッドの使用可否判定作業
4. 版及び版台の取扱い作業
5. 絵具の回収・保管作業
6. スキージ研磨機の運転・取扱い作業
7. パッドの選定作業
②印刷作業
1. パッド印刷機の操作作業
2. サイクルタイムの印刷作業
3. 印刷前品の良否判定作業
4. ワーク着脱作業
③品質診断
1. 製品の良否判定作業
2. 検査結果の記帳・報告作業
第3号技能実習
(1)パッド印刷作業
①印刷準備作業
1. パッドの表面処理作業
2. パッド取付け・取外し作業
3. パッドの使用可否判定作業
4. 版及び版台の取扱い作業
5. 絵具の回収・保管作業
6. スキージ研磨機の運転・取扱い作業
7. パッドの選定作業
8. 版の選定作業
9. 版の使用可否判定作業
10. 絵具の使用可否判定作業
11. 絵具の粘性調整作業
12. パッド印刷機の始業点検作業
13. スキージの研磨作業
14. スキージの使用可否判定作業
②印刷作業
1. パッド印刷機の操作作業
2. サイクルタイムの印刷作業
3. 印刷前品の良否判定作業
4. ワーク着脱作業
5. 単色機での版の位置合わせ作業
6. 単色機でのワークの位置合わせ作業
③品質診断
1. 製品の良否判定作業
2. 検査結果の記帳・報告作業
3. 不良原因推定作業
安全衛生業務
安全衛生業務の内容は、1,2,3号全て共通しています。
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全装置等の点検作業
③陶磁器工業製品製造職種に必要な整理整頓作業
④陶磁器工業製品製造職種の作業用機械及び周囲の安全確認作業
⑤保護具の着用と服装の安全点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑧異常時の応急措置を修得するための作業
関連業務, 周辺業務
(1)関連業務
1. 機械ろくろ成形作業
2. 圧力鋳込み成形作業
3. 原材料調合作業
4. 石膏型製作作業
5. 排泥鋳込み成形作業
6. 窯詰め、ばらし作業
7. 施釉作業
8. 検品作業
9. 転写貼付・原版・印刷作業
10. 原型・石膏モデル製作作業
11. 加圧式鋳込み成形機の保守保全作業
12. 乾燥炉(乾燥機)の保守保全作業
13. 印刷機の保守保全作業
(2)周辺業務
1. 原料運搬作業
2. 職場環境整備作業
3. 製品の梱包出荷作業
(3)安全衛生業務
必須業務の安全衛生業務と同じ内容です。
まとめ
今回は、技能実習「陶磁器工業製品製造」について紹介しました。
陶磁器製造にはさまざまな種類があります。
技能実習においての陶磁器製造は、「機械ろくろ成形」「圧力鋳込み成形」「パッド印刷作業」の3作業です。
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- 執筆者
- 外国人労働者ドットコム編集部
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